増刊号 脳卒中の作業療法―支援技術から他職種連携・制度の利用まで
第1章 総論
5 脳卒中患者の障害像と作業療法の介入の流れ
池田 吉隆
1,2
Yoshitaka Ikeda
1,2
1医療法人社団輝生会 初台リハビリテーション病院
2医療法人社団輝生会 船橋市立リハビリテーション病院
pp.561-565
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100536
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はじめに
脳卒中患者の障害像は多岐にわたる.もちろん起因している脳の損傷部位によって障害像が異なることはいうまでもないが,身体機能構造・認知機能面への影響やそれによる活動制限,さらには心理面への影響が障害像の理解をより難しくしている.筆者もOTになり21年目となるが,今でも現場で初めてみる症状に困惑することが多々ある.澤村誠志氏の“患者さんが教科書”という言葉がある.まさに現場では,机上で学んだだけでは理解できない症状に遭遇することは多い.
この稿では,われわれOTが脳卒中患者の障害像をどのようにとらえ,どのように介入すればよいのか,あらためて振り返りたい.経験豊富なOTにとっては言わずと知れたことかもしれないが,今回は経験の浅いスタッフにターゲットを絞るという趣旨のもと,まず一般的な脳卒中の回復過程の理解,OTの介入の流れと介入ポイントを著者の経験を含めて述べたい.それにより大まかに障害像をイメージでき,現場で直面する症状に困惑せず,懐深い対応ができることを望みたい.
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