増刊号 脳卒中の作業療法 最前線
第2章 支援技術Ⅰ 急性期から回復期の基礎
6 脳卒中患者の摂食嚥下障害に対する作業療法
植田 友貴
1
Tomotaka Ueda
1
1西九州大学
pp.830-833
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202616
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脳血管疾患の摂食嚥下障害と作業療法
食事について機能的自立度評価表(Functional Independence Measure:FIM)では,“食事が適切に用意された状態で,適切な食器を使って食物を口に運ぶ動作から咀嚼し嚥下するまでが含まれる”1)と定義されている.つまり,食事とは食物認知を含む高次脳レベルの機能から,食事動作における頸部体幹および上下肢の筋力や協調性,手指の巧緻性,口腔機能,嚥下機能等,多様な能力が必要となる複雑な作業である.
急性期の脳血管疾患患者では30〜60%の患者が摂食嚥下障害を呈する.さらに10%程度は長期的に摂食嚥下障害が残存するとも報告2,3)されている.また失行,注意障害,遂行機能障害といった高次脳機能障害も摂食嚥下機能に影響を及ぼす.
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