増刊号 急性期における疾患別作業療法
第2章 急性期脳卒中患者に対する作業療法
5 —急性期脳卒中患者に対する上肢運動機能への介入③—急性期脳卒中患者に対する上肢ロボットを用いた介入
岩本 優士
1
Yuji Iwamoto
1
1広島都市学園大学
pp.830-834
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203462
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はじめに
脳卒中発症後,患者の約80%に上肢運動機能障害が生じるといわれている1).さらに,発症後6カ月の時点で60%を超える患者が,上肢の運動機能障害の完全な回復に至らず,麻痺側上肢を実生活の中では使用することができないといわれている2,3).
急性期は残存している皮質脊髄路を刺激し,興奮性を高めることで麻痺の回復を促進する時期であり,興奮性は急性期から急速に減衰して3カ月までには消失する4).また,一般的に,脳卒中後の上肢運動機能障害の改善は,発症から8週間の時期が大きい5).そのため,急性期は上肢運動機能障害の改善において非常に重要な時期である.上肢運動機能障害に対するエビデンスレベルの高い介入として,課題指向型訓練,CI療法,上肢ロボット,電気刺激療法,ミラーセラピー等がある.本稿では,上肢ロボットについて解説する.
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