増刊号 脳卒中の作業療法―支援技術から他職種連携・制度の利用まで
第1章 総論
4 脳卒中における作業療法
山本 伸一
1
,
武田 清
2
Shin-ichi Yamamoto
1
,
Kiyoshi Takeda
2
1山梨リハビリテーション病院
2健康科学大学 福祉心理学科
pp.555-560
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100534
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はじめに
脳卒中の作業療法は,脳卒中が作業療法の主たる対象疾患であることから,これまで多くの論議がされてきた.介入の時期,障害受容,麻痺手への介入,利き手交換,集団の活用,各種手技との整合等である.一方で制度との兼ね合いにおいても変遷を遂げてきたといっていい.1965年(昭和40年)の「理学療法士及び作業療法士法」の双子法誕生時において,作業療法は医療・福祉等のすべてにわたって必要であると誰もが感じていたと思う.しかし,「医師の指示のもと」という範疇でくくられている現在,その領域を狭められているのではないだろうか.当疾患においても同様である.作業療法はOTによって歴史をつくることが求められていることは間違いない.今後はさらなる「OTによる作業療法の進化・発展」の発信が急務である.
本稿では,私見であるが「脳卒中の作業療法」にまつわる論議を整理したい.そして,本増刊号の各論文の前説となるよう願っている.
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