日本老年看護学会第9回学術集会特集 シンポジウムⅠ
高齢者脳卒中医療の「流れ」から
永田 博司
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1茨城県立医療大学付属病院・神経内科
pp.11-15
発行日 2005年3月15日
Published Date 2005/3/15
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はじめに
脳卒中(脳血管障害)は,日本人の死亡原因としては第3位ではあるが,患者数は,急速に進む高齢化社会においては,増加の一途を辿っている.また,発症後,機能予後のよい若年者と異なり,障害(後遺症)を残す疾患としては,高齢者医療の中では大きな意味をもつ.脳卒中は,症状として何らかの障害(特に運動障害)を残すことがほとんどであり,介護が必要になった原因のうち,脳卒中が占める割合は大きく,介護保険対象者の約40%は,脳卒中患者が占める(図1,図2).また,訪問看護の対象疾患としても第1位を占めている.多発性脳梗塞などを背景に起こる血管性痴呆まで含めると,脳卒中は高齢者の疾患としては,非常に重要である.近年,脳卒中の医療は,単に治療薬の開発という側面だけでなく治療システムや,リハビリテーション提供の体制の考え方が,大きく変貌をしてきた.ここでは,高齢者医療との関連を視点に,脳卒中急性期から回復期・維持期にかけての治療システムの最近の動向からリハビリテーション医療の『流れ』について述べる.
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