--------------------
編集後記
竹内 さをり
pp.1310
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100315
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
これまで認知症と作業療法についての特集は何度も掲載されたが,「若年性認知症」についての特集は今回がはじめてである.私自身,沖田裕子氏が代表を務めるNPO法人認知症の人とみんなのサポートセンターに携わり6年になる.関わり始めた当初,若年性認知症に関する報告は少なく,また公的な制度を含め,十分な支援の方針もみえなかった.しかし,ついに「若年性認知症の」と記された医学的知識や法整備,支援策等が具体的に示されるときが来たことを本特集を通して実感することができた.また,ご執筆いただいた方々の日々の実践の積み重ねが,このような形として示されたことを嬉しく感じている.その渦中で働くOTは,具体的な方策のない中,多方面の支援を試行錯誤で実践し,その中から効果的な支援を見いだされたことと思う.その取り組みから学ぶことは多い.
駒井由起子氏は,作業療法のアセスメント力とマネジメント力が若年性認知症の支援に生きると記しているが,加えてその支援には環境をとらえた包括的な視点が重要であるとも述べている.OT個人にできることも多いが,個人の取り組みだけでは困難なことも多い.本特集を通して,若年性認知症の本人と家族に必要な多様な支援の視点を学び,また,広い視点をもって周囲の資源とつながり,活用していくことの大切さを学ぶことができた.
Copyright © 2013, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.