編集後記

　本誌が届く8月は猛暑の真っ只中になるはず，今年もさぞ暑いだろうなと思いつつ，窓の外に咲いた紫陽花にときどき目をやりながら原稿を読ませてもらった．今月号も興味深いものが多く，おもしろかった．

　今回は「特集Ⅰ：作業療法と脳科学Part 2―③発達障害領域」と「特集Ⅱ：自閉症スペクトラムの感覚・運動・行為の障害」の2つの特集である．今注目されているミラーニューロンの話（乾論文）にはじまり，顔認知の発達（市川他論文）ではASD児・ADHD児の脳活動について述べられ，とても興味深く読ませてもらった．松島氏による文献レビューもわかりやすく，非常に役に立つ．特集Ⅱは加藤氏，宮﨑氏他，石原氏他，小松氏他の作業療法現場発信の論文であり，実際を思い浮かべながら読み進めた．今回の特集は毎回登園してくるASD児の不思議な，また，困り感いっぱいの行動や表情・態度を理解させてくれ，納得させてくれたように思う．難解なはずの脳の話は興味深く，わかりやすかった．この2つの特集のコラボレーションは，目の前にいる子どもを心底理解したいと思っているOTにとって「今日からまた心新たに勉強しよう！」，「子どもたちと遊ぼう！　学ぼう！」と思わせてくれた．感謝!!