特集 不整脈1—上室性不整脈
【コラム①】総合内科医に求められる心房細動治療の包括的マネジメント—なぜ今,多職種介入によるアプローチが求められているのか?
津島 隆太
1
,
西原 崇創
2
Takahiro TSUSHIMA
1
,
Shuzo NISHIHARA
2
1University Hospitals Harrington Heart & Vascular Institute, Case Western Reserve University School of Medicine
2ゆみのハートクリニック
pp.532-536
発行日 2022年2月24日
Published Date 2022/2/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900934
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心房細動患者は現時点で日本に80万人近くいると推定されるが,2050年には総人口の約1.1%(約103万人)を占める1)と予測される。スマートウォッチや植込み型ループレコーダーなどさまざまな検出機器があるなか,無症候性(潜在性)心房細動も相当数に上ると考えられ,心房細動は実臨床で遭遇する最多の不整脈疾患である1)。心房細動は心血管系合併症やその長期予後とも密接にかかわっており,単一疾患としてヘルスケアシステムに及ぼす影響は非常に大きい。
日本循環器学会に登録されている循環器専門医は2020年4月時点で約2万人であり,来る超高齢社会における心房細動患者に対応する体制は十分とはいえない。心房細動診療の大部分を外来プライマリ・ケア医あるいは病棟診療医が担っており,治療成績の向上には患者主治医と循環器内科の緊密な連携が不可欠である。
本稿では,「抗凝固療法」「洞調律維持 vs. 心拍数コントロール」「カテーテルアブレーション」と並び,最近注目されてきている心房細動治療の包括的マネジメントに関する知見を総括する。
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