特集 在宅ケアの質を高める、“外縁”を広げる
なぜ、今、在宅ケアシステムのイノベーションが求められているのか
髙橋 紘士
1
1一般財団法人高齢者住宅財団
pp.20-23
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200844
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冒頭から個人的なことで恐縮だが、昨年の晩春に、心臓バイパス手術で3週間近く入院した。そのときは検査、手術、集中治療室、一般病棟、そして検査、退院というイベントはめまぐるしく、病院での日々はあっという間に終わったという感覚であった。とりわけICUから戻ってから、日々の1時間近くの心臓リハビリテーションの実施が生活のリズムとなっていた。ところが手術から7か月後のアフターケアのための2泊3日の検査入院は、2日目の1時間近くのカテーテル検査以外にはこれといった予定もなく、所在なく過ごさざるを得なかった退屈な時間で、相部屋だったこともあり、仕事を病床で行なう環境でもなく、筋力低下を自覚するほどであった。
おそらく、このような日々が高齢者の長期療養では続くはずである。よほど留意しないかぎり、廃用症候群は無為の日が続く入院の日々によって誘発されるのだということを実感させられた。
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