徹底分析シリーズ —なるほどナットク!—ICUにおける人工呼吸—前編
過剰な人工呼吸と肺傷害—救命のための陽圧換気で肺を壊さないために
大塚 将秀
1
Masahide OHTSUKA
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 集中治療部
pp.164-169
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202831
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急性呼吸促迫症候群(ARDS)では,肺胸郭コンプライアンスが小さいため,体格相応の1回換気量設定では気道内圧が高くなりすぎる。しかし,1回換気量を減らすと動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が上昇してしまう。試行錯誤しているうちに,健常にみえていた肺野にも浸潤影が広がり,酸素化が悪化して症例を失うという苦い経験をもつ読者も多いと思う。
本稿では,「換気」が肺を傷害する要因として明らかになってきている知見を整理する。
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