Japanese
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特集 生体膜研究の基礎と応用
膜を壊す
-――オルガネラ膜消去のメカニズム
On the mechanism of degradation of organellar membranes
森下 英晃
1
Hideaki MORISHITA
1
1九州大学大学院医学研究院生体機能学分野
キーワード:
オルガネラ
,
PLAAT(phospholipase A/acyltransferase)
,
ATG15(autophagy-related 15)
,
オートファジー
,
水晶体
Keyword:
オルガネラ
,
PLAAT(phospholipase A/acyltransferase)
,
ATG15(autophagy-related 15)
,
オートファジー
,
水晶体
pp.822-826
発行日 2023年12月23日
Published Date 2023/12/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28711822
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真核生物の細胞内にはさまざまな種類の膜型オルガネラが存在しているが,それらのオルガネラの膜は恒常的あるいは誘導的に分解を受けており,恒常性維持,分化,発生などに貢献している.オルガネラ膜分解の主要なメカニズムとして古くからオートファジーの関与が知られており,オルガネラ全体あるいは一部がリソソームに輸送されることで,リソソーム内の脂質分解酵素によってオルガネラ膜が分解される.一方で近年,脊椎動物にはオートファジーによらないオルガネラ膜分解機構も存在することが明らかになった.本経路では,膜損傷を受けたオルガネラにサイトゾルの脂質代謝酵素PLAAT(phospholipase A/acyltransferase)が局在化することで,それらの損傷膜が選択的に分解される.本稿では,これらのオルガネラ膜分解機構のメカニズムや生理的意義について,最新の知見を交えながら概説するとともに,未解決課題について議論する.
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