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The New England Journal of Medicine
Article:
Desmond A, Offit PA. On the shoulders of giants — from Jenner's Cowpox to mRNA Covid vaccines. N Engl J Med 2021;384:1081-3.
■ワクチンによる感染予防
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対してのワクチン開発と接種を巡り,多くの情報が飛び交い,議論されている。昭和23年に施行された予防接種法によれば,予防接種とは「疾病に対して免疫の効果を得させるため,疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンを,人体に注射し,又は接種することをいう」。ジフテリア,百日咳,急性灰白髄炎(ポリオ),麻疹,風疹,日本脳炎,破傷風,結核,Hib感染症,ヒトパピローマウイルス感染症などのA類疾病に対しては,定期接種が行われる。インフルエンザやCOVID-19などB類疾病に対しては,臨時の予防接種が行われる。
COVID-19に対するワクチン接種は医療関係者に先行して実施され,その後に高齢者に実施される予定となっている。ワクチン接種を強く希望する者もあれば,その予防効果を信じなかったり,副反応を恐れてワクチン接種を希望しない者もいる。国際医療福祉大学の和田耕治教授が2021年3月に首都圏の1都3県の20代から60代の人を対象に行ったウェブアンケートでは,回答した3200人のうち安全性に疑問をもつ者が45%近くもいたことが明らかになっている。2021年3月21日までに約58万回の接種が行われ,最も重篤なアナフィラキシーの発生率は約1万2千回に1回とされている。それほど高い頻度ではないし,死に至るような重篤な例も起きておらず,十分に許容範囲であると考えられる。
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