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Anesthesia & Analgesia
Editorial:
Sohn L, Hajduk J, Jagannathan N. Apneic oxygenation as a standard of care in children:How do we get there? Anesth Analg 2020;130:828-30.
Article:
Else SDN, Kovatsis PG. A narrative review of oxygenation during pediatric intubation and airway procedures. Anesth Analg 2020;130:831-40.
■小児における気道操作時の酸素化維持の重要性
全身麻酔の導入前には,前酸素化(脱窒素化)を行うことで肺胞内を酸素で満たし,麻酔導入中や挿管などの気道操作時の低酸素血症を防ぐようにする。健常な患者であれば,導入や気道操作に問題がなければ無呼吸の時間も短く,低酸素血症となることはまれである。しかし,元から肺疾患があって酸素化が不良な患者や,妊婦のように機能的残気量が少ないうえに酸素消費量が多い患者,挿管困難患者では低酸素血症が起こり得る。
新生児や乳児も,酸素消費量が多いうえ,肺の虚脱が起こりやすいため,挿管時の低酸素血症の頻度が高いとされている。Pediatric Difficult Intubation Registry(PeDI-R)では,小児の挿管困難患者の9%で低酸素血症が起きたと報告している。National Emergency Airway Registry for Neonates(NEAR4NEOS)では,通常の挿管でも42%の患者に,挿管困難の場合には75%の患者に低酸素血症が起きたと報告している。その結果として,心停止なども起こり得る。
そのような中,期待されているのが加湿高流量経鼻カヌラ療法humidified, high-flow nasal oxygenation systems(H2FNOS)である。成人への麻酔導入中や,気管挿管をしないで気道管理をする気道の検査手技中にH2FNOSを使用することで,酸素化が保たれるほか,二酸化炭素の排泄もできることが報告されている。
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