連載
THE Editorials
pp.1137-1139
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202123
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Anesthesiology
Editorial:
Vlisides PE, Mashour GA. The cognitive neuraxis:epidurals and postoperative delirium. Anesthesiology 2021;135:197-9.
Article:
Li YW, Li HJ, Li HJ, et al. Delirium in older patients after combined epidural-general anesthesia or general anesthesia for major surgery:a randomized trial. Anesthesiology 2021;135:218-32.
■術後せん妄は予後を悪化させる
術後せん妄の頻度は高齢者で高く,術式にも関係している。術後せん妄は心臓手術後に6〜46%,血管手術後に5〜39%,胃腸管手術後には8〜54%,関節置換術後には5〜14%と,高い頻度で起こると報告されている。術後せん妄は,認知機能障害や生活の質の低下,入院期間の延長,再入院,生存期間の短縮などと関係する。術後せん妄の発症要因としては,痛み,オピオイド使用,炎症などが関係している。
硬膜外麻酔は,痛みの良好なコントロール,オピオイド使用量の減少,ストレスや炎症反応の軽減などを起こす。そのような点から,硬膜外麻酔は術後せん妄の危険因子を減少させると考えられる。しかし,システマティックレビューでは,股関節骨折手術後の術後せん妄の発生頻度は低下させないと報告されている。
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