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Anesthesiology
Editorial:
Cohn CS, Shaz BH. Warming up to cold-stored platelets. Anesthesiology 2020;133:1161-3.
Article:
Strandenes G, Sivertsen J, Bjerkvig CK, et al. A pilot trial of platelets stored cold versus at room temperature for complex cardiothoracic surgery. Anesthesiology 2020;133:1173-83.
■大量出血時の血小板濃厚液投与
濃厚血小板「日赤」の有効期間は採血後4日間となっている。採血後に核酸増幅検査(NAT)を実施するため,実際に現場に供給されるのは,採血翌日以降となる。血小板製剤は基本的に受注生産である。したがって,院内備蓄はなく,緊急に血小板濃厚液(PC)が必要な場合には日本赤十字社からの供給を待つことになる。予定手術であれば,術前あるいはまだ大出血に至らない術中にオーダーできるが,緊急手術となると,どうしても入手に時間がかかる。最近は,大量出血に対してmassive transfusion protocolを用いる場面が多くなってきた。厚生労働省が出している「血液製剤の使用指針」でも,大量出血に対しては赤血球液:新鮮凍結血漿:PCの単位投与比を1:1:1とすることや,すみやかにPCを投与することが推奨されている。そうなると,解決策はPCをより長く保存できる製剤とし,救急センターなどをもつ医療施設に備蓄しておける体制が必要になってくる。
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