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Anesthesiology
Editorial:
Karamnov S, Muehlschlegel JD. Inflammatory responses to surgery and postoperative atrial fibrillation. Anesthesiology 2022;136:877-9.
Article:
Amar D, Zhang H, Chung MK, et al. Amiodarone with or without N-acetylcysteine for the prevention of atrial fibrillation after thoracic surgery:a double-blind, randomized trial. Anesthesiology 2022;136:916-26.
■術後心房細動の管理で苦労したことはありませんか?
集中治療に関与している医師であれば,心臓手術後や,食道手術,肺手術後に安定していた患者が,病棟に戻そうと考えた頃に心房細動となり,心拍数や血行動態管理に苦労したり,入室期間が延長したといった経験があるに違いない。術後心房細動は一過性の場合もあるが,持続的となることもあり,血栓性塞栓症を起こしたり,抗凝固療法のために出血性合併症を起こすこともある。中等度〜高リスク患者にはアミオダロンの予防的投与が推奨(クラスⅡa)されている(J Thorac Cardiovasc Surg 2014;148:772-91)が,それでも約15%の患者で術後心房細動が起こる。
術後心房細動の発生には,患者因子や,術式の侵襲の程度などが関係するが,一つのメカニズムとして炎症や酸化ストレスの関与が指摘されている。心臓手術では,抗酸化物質であるN-アセチルシステイン(NAC)の投与に術後心房細動の予防効果があると報告されている。しかし,非心臓手術において,NACの術後心房細動予防効果については知られていない。
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