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Anesthesiology
Editorial:
Kharasch ED, Clark JD. Opioid-free anesthesia:time to regain our balance. Anesthesiology 2021;134:509-14.
Articles:
・Beloeil H, Garot M, Lebuffe G, et al. Balanced opioid-free anesthesia with dexmedetomidine versus balanced anesthesia with remifentanil for major or intermediate noncardiac surgery. Anesthesiology 2021;134:541-51.
・Shanthanna H, Ladha KS, Kehlet H, et al. Perioperative opioid administration. Anesthesiology 2021;134:645-59.
■オピオイドクライシスとopioid-free,そしてopioid-sparing anesthesia
オピオイドクライシスは米国を含め欧米諸国では重大な問題となっている。オピオイドクライシスにはいくつかの原因がある。慢性疼痛に対するオピオイド投与が広まってきたことや,術後鎮痛のために処方されたオピオイドが継続投与されること,違法なヘロインやフェンタニル使用などである。周術期にオピオイド投与を行わない(opioid-free),あるいはオピオイド以外の鎮痛薬投与によりオピオイド投与量を減少させる(opioid-sparing)ことが,最近はブームのようになっている。区域麻酔の活用も追い風になっていると考えられる。しかし,opioid-freeやopioid-sparing anesthesiaの鎮痛に対する有効性や安全性に関するデータはいまだ不十分である。
バランス麻酔や,全静脈麻酔,術後の患者自己調節鎮痛法(PCA)においてオピオイドは中心的な役割を果たしているのが現状である。読者の多くも,術中にはレミフェンタニルを投与し,術後PCAにはフェンタニルを含めた鎮痛薬を投与することが多いのではないかと思う。
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