巻頭言

本特集のネタ元は，2016年3月5日（土）に開催された「第4回 麻酔科医のための産科麻酔プロフェッショナルセミナー」である。その名の通り，産科麻酔に興味があり，スキルアップしたいと思っている麻酔科医を対象に，産科麻酔のプロフェッショナルによる臨床に即したレクチャーを集中的に受けられるセミナーとして，2013年から年1回行われている。

　産科麻酔に興味がある“特殊な”麻酔科医が参加すると思われがちだが，実際は，産科麻酔のエキスパートを目指す人だけでなく，度々遭遇するダイナミックな産科麻酔管理を，論理的に考えて麻酔管理をしたいという，入局して間もない麻酔科医も大勢確認できる。日本麻酔科学会などの産科麻酔に関するシンポジウムは，時間的な制約があり，内容も総花的になりがちだなと感じる向きは，こちらに参加しよう。レクチャーのほかにも，超音波ハンズオン，シミュレーション，Case Discussion Tableと，丸々1日産科麻酔にどっぷり浸かれる。

　特に第4回は，講師陣として3名の産婦人科医が登壇したことが大きなパラダイムシフトとなって，筆者の産科麻酔に対する理解が二段階ほど深まった。「この素晴らしい講演内容を参加者だけで独占していると，もったいないオバケが出る」と思い，本特集を企画した。

　第5回は，2017年3月4日（土）に新大阪・丸ビル別館にて開催される。参加受付は11月12日（土）午前7時開始。誌上だけでなく，是非とも生の講演を聞くことをお勧めする。