徹底分析シリーズ スガマデクス(基礎編)
巻頭言
高木 俊一
1
1東京女子医科大学 麻酔科学教室
pp.225
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100880
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- 文献概要
満を持して「スガマデクス」が発売になる。スガマデクスはロクロニウムやベクロニウムを特異的に“包接”という斬新かつ画期的な方法で筋弛緩状態を回復させる。
ロクロニウムはベクロニウムに比べ,速い作用発現,代謝産物に薬理作用がなく反復投与時も投与間隔は長くならず,持続投与も可能といったアドバンテージがある。確かに導入は速くなったが導入だけでは片手落ちであり,作用持続時間はベクロニウムと変わらない。また,ベクロニウムを長年使いこなしてきたために,ロクロニウムの導入をいまだに躊躇している施設もあるだろう。
スガマデクスの登場によって,ロクロニウムでも片手落ちだった筋弛緩からの回復時間が劇的に改善する。また,スガマデクスとロクロニウムがベストマッチだということも本徹底分析からご理解いただけるであろう。
まずは,スガマデクスの“基礎編”として,「開発の経緯」,「作用機序」,「薬理学的な特徴」を学び,次号の“臨床編”をより深く読み込むための礎にしていただければ幸いである。
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