徹底分析シリーズ 脳死ドナー発生!臓器摘出術をマネージメントせよ
巻頭言
高木 俊一
1
1東京女子医科大学 麻酔科学教室
pp.1027
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101642
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- 文献概要
ある日,「脳死ドナーが発生した」と言われた読者諸氏は,あたふたしない自信はあるだろうか?筆者自身は,あわてふためくと確信している。
脳死ドナーは,今日にも発生するかもしれない。そして,臓器提供意思があるのに,病院側の対応ができないために,臓器移植ができないのは,由々しき問題である。麻酔科医も,脳死ドナー発生にとまどわないようにするべきである。また,円滑に質の高いドナー管理を行って,移植可能臓器を最大限に生かすことが,本人と家族の気持ちに報いることにつながる。
そこで,脳死ドナー発生から臓器摘出術までの流れを把握して,いざというときに不安な気持ちを抱くことなく,心に余裕をもって臨めるように,本徹底分析を企画した。
まず,脳死ドナー発生から臓器提供までの流れと,手術室マネージメントについて把握することから始めよう。また,脳死判定の規準を確認するとともに,臓器移植のキーパーソンである移植コーディネーターや,現場で頼りになるメディカルコンサルタントの存在と役割を知っておく。そして,脳死ドナーの生理学的変化の特異性を理解して,理想的なドナー管理をイメージできるようになりたい。さらには,臓器を摘出する順番は,どのような理由から決まっているのか,摘出術の手順も含めて解説してもらおう。
読めば読むほど,各執筆者の「熱意」が伝わってくる。脳死ドナーが発生する前に読み,いざというときに再度読む。本徹底分析は,企画者がまさに知りたかった内容が満載の,読み応えあるバイブルである。
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