徹底分析シリーズ スガマデクス(臨床編)
巻頭言
高木 俊一
1
1東京女子医科大学 麻酔科学教室
pp.323
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100902
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- 文献概要
前号ではスガマデクスの“基礎編”として,「開発の経緯」,「独特な作用機序」,明快な「薬理学的な特徴」を紹介した。キーワードである“包接”を十分に理解していただけたと思う。スガマデクスの包接作用はロクロニウムに対して最も効率がよいことも大切なポイントである。
さて,今号は“臨床編”である。スガマデクスは筋弛緩状態に合わせて,どのように使用するのが適切か。投与量に困ったら多めに使うか/少なめに使うか。スガマデクスの魅力の一つである素早い筋弛緩状態からの回復が可能になることによって,スキサメトニウムは不要になるのだろうか。これからの全身麻酔下の帝王切開術に使用する筋弛緩薬は何を使用するのがよいであろうか。麻酔管理の方法まで変わってしまうかもしれない。スガマデクスには魅力がたくさんあるが,弱点や使用しにくい環境はないか。スガマデクスの排泄経路である腎臓の機能低下では筋弛緩薬の作用は延長するか。すべての疑問は今号を読み終わるときには,既知の問題となっている。
スガマデクスの臨床に即した使用法,スガマデクスの登場により変わるであろう麻酔法,そしてさまざまな病態や疾患における使用法や注意点など,奥深くまで解説してあるので,読み倒して即実践に役立てていただけたら幸いである。
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