ミニ特集 呼吸モニタリングは麻酔科医の基本です
巻頭言
高木 俊一
1
1東京女子医科大学 麻酔科学教室
pp.359
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200546
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- 文献概要
2015年の初夏,沖縄の万国津梁館で行われた第12回麻酔科学サマーセミナーでは,「呼吸モニタリング」に関連する講演が3題ありました。言うまでもなく,呼吸管理は安全な麻酔管理の基本です。しかし最近,学会では術後痛がないことがいかに素晴らしいかが議論され,Monitored Anesthesia Care(MAC)による快適な内視鏡検査が売りにされるなど,麻酔の「質」を追い求めています。危険なのは,痛みがなく快適という「質」が脚光を浴びているその影に「安全」が隠れてしまい,大きなトラブルの芽が育ってしまうことです。
そこで今回,呼吸トラブルの芽を摘むにはどのようなモニタリング法を選択すればよいのか,呼吸抑制を防ぎながら良質な術後鎮痛を提供するためには何が必要か,さらにMACによる鎮静でのトラブル回避方法をまとめています。この麻酔科学サマーセミナーでの講演録を機に,「安全」を最優先にする麻酔科医の基本を再確認してください。
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