症例検討 前立腺疾患の麻酔
巻頭言
高木 俊一
1
1東京女子医科大学医学部 麻酔科学教室
pp.1063
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100796
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- 文献概要
前立腺疾患は,他疾患と比して,年々増加の一途をたどっている。このため,われわれ麻酔科医が,前立腺疾患に接する機会は今まで以上に増えることが予想される。前立腺疾患というと,前立腺全摘術(恥骨後式根治術)やTUR-Pなど,長年に渡り行われているお馴染みの手術を思い浮かべ「いまさら新しいことなんてあるのか?」と感じる諸兄姉もいらっしゃるであろう。しかし,前立腺領域の治療の進歩には目覚しいものがある。例えば,手術アプローチの変更(合併症を減らす目的),放射線治療の普及,電気メスなどの手術器材の進歩,ロボット手術を導入するなど,新たな試みが数多く投入されており,知らず知らずのうちに時代に取り残される危険すらある。一方,麻酔科にも武器となる新しいモニターがいくつも登場している。特に,循環器系モニタリングにより輸液,輸血などの管理の質の向上が期待される。
本症例検討では,前立腺疾患に精通した泌尿器科医と放射線科医からの最新トレンドを紹介していただき,麻酔科医からは最近の知見や各施設の実情を加味した症例検討をしていただいた。前立腺疾患の知識の再吸収に役立ていただきたい。
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