徹底分析シリーズ “エビデンス”に立ち向かう
コラム:もう一つのEBM?—evidence-based marriageはあるか?
張 京浩
1
Kyungho CHANG
1
1東京大学医学部附属病院 医療機器管理部・麻酔科
pp.1063
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200706
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
医学・医療が確率に左右されることは否めない。よって目前の患者での成功率を高めるために,既存の研究結果を最大限に利用することは論を俟たない。しかしながら,昨今の,RCT(およびその集積としてのメタアナリシス)の結果を頂点とするEBMのあり方については,EBMという風潮が医師として働き始めたときにはまだなかった筆者には,どうしてもしっくりこない。その感覚を一言で表すと,自動化されることへの反発,ということになるかもしれない。
『医者は現場でどう考えるか?』1)という名著を著したハーバード大学のグループマン教授がこの本を書くに至った動機については,ご自身の経験談とともに本文中に示唆されているが,筆者なりに要約すると以下のようになる。
Copyright © 2016, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.