特集 あなたの知らない産科麻酔の世界
心疾患合併妊娠の管理—周産期循環動態変化と分娩管理を中心に
神谷 千津子
1
Chizuko KAMIYA
1
1国立循環器病研究センター 周産期・婦人科
pp.1070-1074
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200710
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妊娠・出産を通じて,循環動態はダイナミックに変化する。循環器医療や新生児医療の発展に伴い,成人先天性心疾患患者が増加していること,遺伝性不整脈や結合織病など新たな疾患が若年代で診断されること,妊婦の高齢化が進んでいることなどにより,循環器疾患合併妊娠数は増加傾向にある。循環器疾患をもつ女性の多くが安全に出産する一方,一部の病態においては,母児の生命も脅かされるハイリスク妊娠となる。母体死亡原因究明を国家レベルで行っている英国において,循環器疾患が原因の母体死亡数は年々増加している1)。妊娠・分娩・産褥期の循環動態の変化を熟知し,合併症に迅速に対応できる診療体制の構築が望まれる。
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