特集 子どもと漢方―日常診療に役立つ考え方・使い方
1.小児漢方のevidence-based medicine(EBM)
堀田 広満
1
,
星野 卓之
1,2
,
小田口 浩
2
,
花輪 壽彦
2
1北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部
2同漢方診療部
キーワード:
小児漢方
,
東洋医学
,
EBM
,
エビデンス
,
学と術
Keyword:
小児漢方
,
東洋医学
,
EBM
,
エビデンス
,
学と術
pp.227-235
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001213
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小児漢方のランダム化比較試験の既報を紹介するが,洋の東西を問わず小児医療のエビデンスは構築しにくい.また複雑系の漢方は西洋医学の要素還元的な分析がなじみにくい.Evidence-based medicine(EBM)にはエビデンス以外に,患者の病状や周囲を取り巻く環境,患者の意向や価値観,医療者の臨床経験が必要であり,エビデンスが十分でなくともEBMは成立する.統計学的有意差がある治療への過度な依存は,むしろEBMを阻害する.EBMが提唱された1990年代,同時期に英米等で補完代替医療がブームとなり,とくに米国は多額の費用を投じ研究中である.またICD-11には伝統医学が導入間近である.世界的には漢方を含めた伝統医学のニーズが増しており,小児漢方のEBMについて述べた.
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