増刊号特集 泌尿器科外来診療—私はこうしている
Ⅹ.メディカルエッセイ
私とEvidence-based Medicine(EBM)
小川 修
1
1京都大学大学院器官外科学講座泌尿器病態学
pp.52
発行日 2000年3月30日
Published Date 2000/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902890
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最近,Evidence-based Medicine(EBM)という言葉をよく聞く。EBMとは"確証に基づいた,あるいは科学的根拠に基づく医療"と訳される。要するに科学的根拠を大切にして曖昧な医療を追放しようということであろう。臨床医は病気の診断や治療手順の決定を日常的に行っているが,ものごとを決定するには必ず根拠が必要であることをどこまで強く認識しているだろうか。
EBMは臨床医学の言葉であるが,臨床の実践に科学的根拠が必要であることは何も最近になって認められたわけではない。しかし,私がEBMを本当の意味で意識したのは外国留学を終えて大学の臨床に復帰したときである。基礎研究では,「何が解明されていないか」,また「どのようにアプローチすれば問題を解明しやすいか」は比較的明瞭に整理可能であり,あとはアイデアや実行力の勝負である。
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