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Evidence Based Practice(科学的根拠に基づく臨床)とは
理学療法サービスは,医師などによる医学サービスと類似しており,日常的に行われる患者紹介から,患者の機能や能力などの評価,治療計画の立案,治療介入,再評価などの一連の流れがある.これらの各段階に対して,科学的根拠に基づいて臨床を行うことを,Evidence Based Practice(科学的根拠に基づく臨床:以下,EBP)と呼ぶ.理学療法の実践においては,健康促進,疾病予防,治療,リハビリテーションなどが目的となり,市民に対して生涯にわたって提供されるべきであり,保健医療福祉の中で様々な形態でサービスを受けることが可能であるべきである.また,理学療法を実践するには,生物学,物理学,行動科学,臨床科学などにおける知識が必須であり,臨床に関連する最新の研究や発見は,理学療法の専門性や科学的根拠に基づく臨床の発展に貢献するものである.したがって,理学療法士は生涯にわたって適切なサービスを提供できるように,生涯学習が必要とされる.
世界理学療法連盟(以下,WCPT)では,2000年3月に開かれた理事会においてEBPの実現のために最大限に努力することを決定し,2001年10月には,イギリスのロンドンで開かれた会員国,地域,サブグループの代表会議にて検討している.この会議では,特にEBPに関する情報交換,理学療法におけるEBPの展望の明確化,国際協力について話し合われた.この会議録1)には,Synthesising the evidence(科学的根拠の合成),Accessing the evidence(科学的根拠へのアクセス),Implementing the evidence(科学的根拠の実行)というテーマが設けられている.以下にその内容を概説する.
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