症例検討 よくあるトラブルを乗り越えよう 1
レミフェンタニルを0.5μg/kg/minで2分間投与した後に,点滴が漏れていることに気付いた—効果遷延の可能性も否定できない
小原 伸樹
1
Shinju OBARA
1
1福島県立医科大学医学部 麻酔科学講座
pp.176-178
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200133
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症例
80歳の男性。身長158cm,体重50kg。鼻内内視鏡手術が予定された。特記すべき合併症はない。手術室入室後に,左前腕から20Gの静脈留置針で静脈路を確保し,重炭酸リンゲル液の点滴を開始した。
プロポフォール50mgを投与すると,痛がり上肢を激しく動かしたが,10秒ほどで落ち着き,その後入眠した。引き続き三方活栓の側管からレミフェンタニルを0.5μg/kg/minで投与を開始し,セボフルラン2%でマスク換気を行った。2分後,ロクロニウムを投与しようとしたところ,シリンジの押し子に抵抗を感じた。輸液回路のチャンバーに緩徐な滴下は認められるものの,留置針刺入部が腫脹している。
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