症例検討 レミフェンタニルの実際
レミフェンタニルと心臓麻酔:個性を生かした使用法
瀬尾 勝弘
1
,
片岡 誠
1
Katsuhiro SEO
1
,
Makoto KATAOKA
1
1社会保険小倉記念病院 麻酔科・集中治療部
pp.902-908
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100421
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症例 OPCAB 2例(心機能良好例と心機能低下例)
症例1:心機能良好例
63歳の男性。身長169cm,体重72kg。
診断名:冠攣縮性狭心症,1枝病変
施行術式:OPCAB左内胸動脈-左前下行枝(Seg.10)-(Seg.8)
…
冠攣縮性狭心症のため,冠拡張薬としてニトログリセリン,ニコランジルに加えてジルチアゼムの持続投与を併用した。ミダゾラム7.5mg,フェンタニル6μg/kgで麻酔を導入し,気管挿管時の血圧上昇に対してフェンタニル4μg/kgを追加した(フェンタニル計10μg/kg)。
執刀前よりレミフェンタニル0.25μg/kg/minの投与を開始し,胸骨正中切開時に最大1.0μg/kg/minに増量し,血圧の著しい上昇を避けることができた。麻酔導入前の心拍数が55回/minであったが,レミフェンタニルを0.05~0.1μg/kg/minで持続投与を行っても,術中の心拍数は60回/min以上で,血圧低下時には一時的に投与を中止することで対処した。プロポフォールをTCIで効果部位濃度2.0μg/mLで投与して,術中のBIS値は40~50であった。
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