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1.Microaxial flow pump or standard care in infarct-related cardiogenic shock. N Engl J Med 2024;390:1382-93. PMID:38587239
研究デザイン│国際多施設RCT
背景・目的│心原性ショックを合併したST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において,ガイドラインに沿った標準的治療に加えて小型軸流ポンプをルーチンに使用することにより,標準的治療単独よりも死亡率が低下するか検証する。
対象│心原性ショックをきたした18歳以上の成人STEMI患者(デンマーク4施設,ドイツ9施設,英国1施設の合計14施設,2013年1月〜2023年7月)
介入・方法│標準治療に加えて小型軸流ポンプをルーチンに用いる小型軸流ポンプ群と標準治療群に1:1に無作為に割り付けた(隠蔽化あり,ウェブを用いた無作為化システム,患者-治療者非盲検)。血行再建術から無作為化までのタイミング,STEMIの原因血管(前壁,前壁以外)により層別化。
プライマリアウトカム│180日後の全原因死亡(ITT解析)
結果│合計360例の患者が無作為に割り付けられ,そのうち355例が最終解析に組み入れられた(小型軸流ポンプ群179例,標準治療群176例)。患者の年齢中央値は67歳で,79.2%が男性であった。全原因死亡は,小型軸流ポンプ群では179例中82例(45.8%)に,標準治療群では176例中103例(58.5%)に発生した(HR 0.74,95%CI 0.55〜0.99,p=0.04)。複合安全性エンドポイントイベントは,それぞれ43例(24.0%),11例(6.2%)に発生した(RR 4.74,95%CI 2.36〜9.55)。腎代替療法は,それぞれ75例(41.9%),47例(26.7%)に施行された(RR 1.98,95%CI 1.27〜3.09)。
結論│STEMIによる心原性ショックの患者において,標準治療に加えた小型軸流ポンプのルーチンの使用は,標準治療のみの場合と比較して180日後の全原因死亡を有意に改善した。
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