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1.Cytisinicline for smoking cessation:a randomized clinical trial. JAMA 2023;330:152-60. PMID:37432430
研究デザイン│Ⅲ群二重盲検プラセボ対照RCT
背景・目的│cytisinicline(cytisine)はバレニクリンと同様,α4β2ニコチン性アセチルコリン受容体に選択的に結合してニコチン依存性を中和する植物由来のアルカロイドである。cytisiniclineは米国では認可されていないが,欧州の一部の国では禁煙補助目的に使用されている。しかし,従来の用法と治療期間が最適かどうかはわかっていない。禁煙治療において,新規の薬物動態に基づく6週間または12週間のcytisinicline投与レジメンの,プラセボと比較した有効性と忍容性を評価する。
対象│1日10本以上の現喫煙者で,呼気一酸化炭素が10ppm以上であり,禁煙する日を決める準備ができている18歳以上の成人(米国17施設,2020年10月〜2021年12月)
介入・方法│cytisinicline3mgを1日3回,12週間投与する12週群(n=270),cytisinicline3mgを1日3回,6週間投与後,プラセボを1日3回,6週間投与する6週群(n=269),プラセボを1日3回,12週間投与するプラセボ群(n=271)に1:1:1に無作為に割り付けた。すべての参加者は行動支援を受けた(隠蔽化あり,コンピュータを用いた中央割付,患者-治療者盲検)。施設ごとに層別化。
プライマリアウトカム│6週間治療の最後の4週間(3〜6週目)および12週間治療の最後の4週間(9〜12週目)における,生化学的に確認された禁煙継続(ITT解析)
結果│無作為割付された参加者810名(平均年齢52.5歳,女性54.6%,毎日平均19.4本喫煙)のうち,618名(76.3%)が試験を完遂した。禁煙継続率は,cytisinicline6週群とプラセボ群の比較では,3〜6週目で25.3% vs. 4.4%(OR 8.0,95%CI 3.9〜16.3,p<0.001),3〜24週目で8.9% vs. 2.6%(OR 3.7,95%CI 1.5〜10.2,p=0.002)であった。cytisinicline12週群とプラセボ群の比較では,9〜12週目で32.6% vs. 7.0%(OR 6.3,95%CI 3.7〜11.6,p<0.001),9〜24週目で21.1% vs. 4.8%(OR 5.3,95%CI 2.8〜11.1,p<0.001)であった。嘔気,悪夢,不眠症が発生したのは各群の10%未満であった。16名の参加者(2.9%)が有害事象のためcytisinicline投与を中止した。薬剤関連の重篤な有害事象は発生しなかった。
結論│行動支援と併用した6週間および12週間のcytisinicline治療には,禁煙効果と優れた忍容性があることが明らかとなり,新しいニコチン依存症治療の選択肢がもたらされた。
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