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あとがき
三村 將
pp.92
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188160960780010092
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本号の特集は「パーキンソン病の進行期合併症」(神田 隆編集主幹企画)である。パーキンソン病自体は脳神経内科領域では最もよく遭遇する疾患の一つであり,関連雑誌で特集が組まれることも多い。しかし,進行期の合併症に焦点を絞った特集は珍しいと思う。もっとも,合併症といっても,今回ラインナップされたのは他疾患の合併症ではなく,パーキンソン病の進行期でみられる非運動症状(non-motor symptoms)が中心である。これらの多彩な非運動症状は,時に運動症状以上に臨床的に問題となる場合があり,あらためて非常に勉強になった。
このあとがきの筆者は精神科医であるが,パーキンソン病はそれなりに多くの患者に接してきた経験がある。しかし,われわれ精神科医が目にするパーキンソン病の人は,脳神経内科の先生方が通常診るパーキンソン病の人とはだいぶ印象が異なっている。もちろん運動障害が前景に立てば,患者はまず脳神経内科を受診するから,はじめから精神科を受診することはまずない。われわれが対応するのは非運動症状であり,やがて運動症状が顕在化してきて,早晩パーキンソン病の診断が確定する。今回の特集との関連から言えば,睡眠覚醒障害(レム睡眠行動障害やむずむず脚症候群など)や自律神経症状(起立性低血圧や便秘など),あるいは精神症状(うつ・不安,意欲低下,幻覚・妄想など)は必ずしも進行期に限らず,運動症状に先行して初期に出現する場合も少なくない。精神症状については,最近はパーキンソン病の関連疾患であるレビー小体型認知症(DLB)のサブタイプとして精神症状で発症する群がPsychiatric Onset DLBとして注目されている。

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