特集 介護保険がやってくる!―訪問看護ステーションの展望と課題
特集3
訪問看護ステーションを中心としたサービス総合化の可能性と課題
島田 千穂
1
1国際医療福祉大学・国際医療福祉総合研究所
pp.90-93
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902506
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いよいよ来年4月から介護保険法が施行される.厚生省は介護保険の理念として,①利用者が自由にサービスを選択して利用できる,②介護に関する福祉と医療のサービスを総合的,一体的に提供する,③画一的でなく,多様で効率的なサービスを提供する,④社会的入院の是正などによる医療費を削減する,の4点をあげている.これらの実現には,高齢者に必要な,複数のサービスを提供する事業者が相互に連携し,サービスを調整しつつ提供することが前提となる.
介護保険制度下では,居宅介護支援事業者がケアマネジャーとして,アセスメントからケアプランを立て,評価するまで責任を持って行なうことになっている.居宅介護支援事業者は,提供事業者に併設できるため,サービス提供事業者には,サービスを提供するだけの事業者と,居宅介護支援事業者の機能を持ちつつサービスを提供する事業者とがあることになる.しかしながら,もし多様なニーズに対応することを目的とするならば,居宅介護支援事業者のみが,サービス提供事業者間の連携や調整の技術を持っているだけでは,不十分であると思われる.ケアマネジャーとしての役割をもたないとしても,サービス提供者として総合的なサービスの一部を提供しているという意識,他のサービス提供事業者とともに1人の対象者のニーズに対応しているという意識が必要である.
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