グラフ
必要な時に,必要なサービスを―「訪問看護ステーション堂山」にようこそ!
pp.167-169
発行日 2002年3月25日
Published Date 2002/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903151
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大阪駅から歩いて8分,飲食店や美容院が立ち並ぶ通りを抜けたところのビルの4階.ここに昨年,市橋恵子さんと中田ひとみさんが設立した「有限会社オフィスグレイス訪問看護ステーション堂山」はある.
市橋さんは以前,看護専門学校の教員をしていた.2年に1回は,学生を連れてベスイスラエル病院やマサチューセッツゼネラル病院の夏の研修に行っていたのだが,80年代の終わり頃のこと,行く先々で開いてくれる意見交換会で,「エイズが看護のコンセプトを変えたのではないか」ということが盛んに話題になっていた.ユニバーサルプレコーションが導入され,すべての患者に対して採血時に手袋をすること,プライマリーナースはエイズで亡くなった患者さんの看護をした後は,休暇をとって自分自身を癒す時間を持つこと,そうせずにつぎの患者を受け持つことはできないのではないかというようなことだ.HIVが深刻な問題になっていることを聞いて,市橋さんは92年に京都市内の看護学校の教員たちでHIVの勉強会を始める.しかし学生に何を伝えるかというときに,あまりに現実を知らないことに気づいた.報道は真実を伝えていないようにも思えた.現実を知りたい一心で,ボランティア団体「HIVと人権・情報センター」の研修を受け,電話相談のボランティアとなる.
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