連載 めざせ 楽寿食・12
栄養管理と食生活の工夫―市販品の利用
松月 弘恵
1,2
,
住垣 聰子
2
,
井上 典代
2
,
大沼 奈保子
2
1東京家政学院大学
2E-net
pp.1007-1011
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901428
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食生活の外部依存
近年,家族規模の縮小や女性の社会進出のために,外食や中食の利用が増加している。そもそも外食の発達は江戸時代にさかのぼる。当時は度重なる江戸の大火の復興のために建設ブームが起こり,各地から大工や職人が上京した。人口に占める男女比率は不均衡となり,当時江戸には独身男性が多かったといわれている。そのため必然的に飲食業が発展し,そば屋や一膳飯屋が繁盛した。これらの歴史的事実からも,晩婚化や単身生活者が増加している現在,外食が発展するのは納得できる。ただ300年前と現在の相違点は,単に飲食店で食べる外食だけではなく,テイクアウトの中食やコンビニエンスストアの増加など,食事の外部依存の選択肢が増えたことである。
テイクアウトという言葉は新しいものであるように感じられるが,もともと私たちは市販惣菜を古くから受け入れてきた。例えば精肉店でコロッケやメンチカツが販売されたのは40年以上前からであり,商店街の惣菜店では,大皿盛りで煮物や煮豆・焼き魚や天麩羅も売られていた。よって現在の高齢者にとっては,外食以上に市販惣菜の利用は抵抗がないものと思われる。
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