研究報告
在宅におけるIVH管理の実際―訪問看護の現場から
矢吹 恭子
1
1医療法人明医研ケアメイト訪問看護ステーション
pp.285-290
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100499
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はじめに
在宅での栄養管理としては,経管栄養,IVH,胃瘻などさまざまな手段がある。その中でもIVH管理は医療従事者に「手技,衛生管理が大変だ」と思われている。私たちのステーションは平成11年の開設以来,今日まで37症例におよぶ在宅IVH対応を実践している。24時間連絡体制,インターリンクシステム(後述)の利用,主治医,無菌調剤が可能な薬局,医療機器会社などとの連携をとることで,安全な在宅IVHを行なっている。
●在宅IVH管理の特殊性
私たちが関わる在宅IVHの症例では,がん末期,高齢者の全身状態悪化など,緊急な対応を要する場合がほとんどである。IVHを必要とする症例は必然的に重症度が高く,患者・家族も不安やストレスの多い状態にある。そこに訪問看護が関わり,信頼を得るには患者・家族のQOLに配慮したスタッフ間の協力が必要となる。
また,在宅医療においては,介護者に手技を任せる部分が生じる。私たちケアメイト訪問看護ステーションでは,「介護者のためのIVH手技マニュアル」を使用して必要な手技を指導する一方,24時間連絡体制でIVHその他のトラブルに対応している。
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