今月の主題 敗血症
話題
IVH敗血症
下野 信行
1
,
澤江 義郎
2
Nobuyuki SHIMONO
1
,
Yoshiro SAWAE
2
1九州大学医学部第一内科
2九州大学医療技術短期大学部
キーワード:
IVH敗血症
,
原因菌
,
診断
Keyword:
IVH敗血症
,
原因菌
,
診断
pp.1416-1417
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902306
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1.はじめに
IVH (intravenous hyperalimentation)は中心静脈カテーテルによる高カロリー輸液の手技として1970年代から普及しはじめたが,同時に,しばしば感染症の合併がみられるようになった.Ryanら1)によると,IVH敗血症とは経静脈的高カロリー輸液を実施中の患者が敗血症症状を呈し,ほかに明らかな感染病巣がなく,カテーテル抜去により臨床症状の改善が認められ,カテーテル先端あるいは血液の培養により菌陽性であるものとしている.また,Kruseら2)はcatheter col-onization,bacteremia,sepsisと3段階に厳密に区別することを提案しているが,これらの鑑別は必ずしも容易でない.ここでは,IVHに起因すると思われる敗血症(菌血症)の病因,診断,治療法の現況について述べる.
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