特集 顧客満足が変える・支える医療と看護
これからの医療に問われること―病院経営と顧客満足の視点から
星 北斗
1
1財団法人星総合病院
pp.848-853
発行日 2001年11月10日
Published Date 2001/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901326
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はじめに
かつて,医療は受けられることが全てであった。「医者にかかれるのは死ぬときだけ」とさえ言われていた。そして,1961年の国民皆保険が与えたインパクトは,その後,高度成長という経済的な裏打ちによって,医療に対する意識を大きく変えることになった。患者の意識は大きく変化したが,提供者側である我々はどうだったかを考えるとき,自らに厳しい視線を送らなければならないだろう。
患者を顧客であるとする考え方には,一定の理解を示しながらも,医師として,あるいは医療人としての本能的な拒絶反応があったに違いないし,その感性もまた大切なものであると考えている。しかしながら,すでに医療に対する国民の期待は大きく変化し,医学・技術は進歩して選択の範囲が大きなものとなってきている。このような環境の中で,我々医療人は何を考え,何を目指していかなければならないのかについて,私の経験をもとに考察を加えてみることにする。
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