巻頭言
医療者側の満足と患者側の満足
前田 真治
1
1北里大学東病院リハビリテーション部
pp.649
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106115
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装具や自助具を処方作製していると,我々側が満足のいく処方をしても実際には着けていただけなかったり,逆に,少々実用性に欠けるかもしれないなどと満足のいかないものであっても大切に何年も着けていただけ,結果的に変形予防に効果をあげているという現状を経験することがあります.
このように,患者がとことん納得しないとうまくいかないことは装具だけに限らず,リハビリテーション医療を行っているとあちらこちらで問題となってきます.臨床の場ではいつも医療者側の満足度と家族の満足度,さらに患者自身の満足度が違うということを念頭に置かなければなりません.医療者側が最善のことを行ったとしても必ずしも家族は満足していないこともありますし,患者も満足していないことがあります.また逆に,十分なことができなかったと思っても患者や家族は非常に満足であると感じていたりすることも少なくありません.
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