連載 癒しの環境・24(最終回)
顧客満足
高柳 和江
1
,
クミコ・クリストフ
1日本医科大学(医療管理学教室)
pp.1104-1105
発行日 1996年12月25日
Published Date 1996/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901514
- 有料閲覧
- 文献概要
病院の役割はふたつある.積極的に病気を治療すること.これは医師と看護婦など医療提供者が積極的な役割を果たし,患者は受け身であることが多い.もうひとつは,病人の自然治癒力を高めること.患者自身が主役となって,病気に打ち勝つ力を発揮する.免疫療法やちまたの民間療法は,この自然治癒力を高めるようになされている.近代的設備を持った病院だけが,この人体の不思議,自然治癒力を無視してきたようである.ここで医療環境をもう一度見直してみようというのが,この癒しの環境の連載であった.
病院環境に癒しを取り入れて,患者も主体的に能動的に治ろうとする.それを医療提供者が支援する.高度医療に患者側からも積極的に意見を言い,かかわっていく.これからの医療は,患者を中心にした総合的なチーム医療でなくてはならない.そのために,「医療現場に癒しの環境が必須なのである」というのが,私の主張の最大のものであった.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.