特集 療養病床・回復期リハにおける看護の役割―機能分化でどうなる
療養病床における「顧客満足」をどう創るか
桑田 美代子
1
1青梅慶友病院看護介護開発室
pp.864-869
発行日 2003年11月10日
Published Date 2003/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100928
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はじめに
青梅慶友病院は東京都の西の郊外に位置する介護療養型医療施設である。当院は1980年,「老後の安心と輝きを造する」という経営理念のもと,「自分の親を安心して任せられる施設をろう」という具体的行動目標を掲げて開設された。
開設当初150床弱であった当院は,その後,10年の間におよそ800床の規模にまで成長を遂げた。こうした急成長の背景に,日本社会の急激な高齢化があったことは事実であるが,同時に,この病院が,従来,「老人病院」という言葉がもっていた暗いイメージを一掃するサービスを展開し,広く利用者の支持を集めたことが病院の成長を推進する原動力になったこともまた間違いない。入院待機者リストが常に600人を下らないこと,入院患者の90%が,当院を利用した人の紹介によるという事実が,当院に対する利用者の評価の高さを裏付けている。
本稿では,当院がいかにして利用者の満足を高めたか,サービスの質を維持し成長させるためにどのような努力を重ねてきたか,そうしたシステムは現在いかなる課題を抱えているのかを,看護の視点から考えてみたい。
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