連載 見直そう「儀式」「習慣」だらけの感染管理・6
"常識"を疑え!
土井 英史
1,2,3,4
1関西労災病院
2岸和田徳洲会病院
3セコメディック病院
4ヘルスケアリソース研究所
pp.1016-1017
発行日 2000年12月10日
Published Date 2000/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901129
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もはや"常識",それが落とし穴
前回は,尿路カテーテル,人工呼吸器,血管カテーテルを用いている患者に感染が多いことを書きました。そのような状態の患者が収容されているユニットはというと,ICU,PICU,NICUということになります。したがって,医療施設のなかでも,これらのユニットのInfection Controlが特に重要だといえます。しかし,これに関しては,日本でももはや"常識"となっているので,改めて解説することは避けます。ただ,その"常識"とされるもののなかに,じつはEBM(Evidence Based Medicine)のない"儀式""習慣"が落とし穴であることには注意が必要なのです。Infectlon Control上問題があり,非効率で費用対効果の悪い"儀式""習慣"は見直さなければなりません。つまり,Evidenceすなわち科学的根拠を用いて,ある意味ではそれまでの"常識"を打ち破ることが必要です。実際には,困難なことも多いのですが,医療の質改善には不可欠だと理解してください。ICU,PICU,NICUユニットには,Infection Controlの基本が集約されています。ですから,これを学ぶことにより,他のユニットでもおおいに参考になるでしょう。
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