鴨川便り・9
常識
牧野 永城
1
1亀田総合病院診療統括
pp.1170-1171
発行日 1994年9月20日
Published Date 1994/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901631
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亀田では毎朝8時半に管理関係者10名ほどが会議室で情報の交換や報告をする.ある朝,事務関係統括責任者のジョンが,この病院ではなぜICU, CCUの入室の際に,履物を替え,ガウンを着るのか,アメリカの医師が見学に来ると不思議がるという.そして彼はさらに,医師以外の職員や患者の家族には厳重にそのルールを守らせるのに,医師に守らない人が多いのはおかしいではないかと付け加えた.
ICUはもともとアメリカで生まれた制度で,CCUはその後ICUから別れたものである.ICUは1960年頃,当時アメリカが看護婦不足でほとほと困窮していたとき,ある病院のAdministratorが考案したPPC(Progressive Patient Care)という独特の病棟区分の方法から生まれたものである.病棟を疾患の種類で分けず,看護の重症度で区分する方法で,Intensive Care Unit, Intermedi-ate Care Unit, Self Care Unitの3つに分けた.看護の傾斜配分,つまり,軽症患者からは看護婦の数を減らし,重症患者は一箇所に集めて診療や看護の力を集中して治療することによって,足りない看護力を有効に配分できるというものであった.
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