医療対話推進者の戦略的育成―組織の“患者・家族対応力”アップ！

医療対話推進者と医療安全管理者の協働に向けて

　患者・家族と医療従事者との対話促進を図ることを目的に，2012（平成24）年1月10日に「医療対話推進者の業務指針及び養成のための研修プログラム作成指針─説明と対話の文化の醸成のために」（以下，本指針）が厚生労働省より公表された^1）。本指針は，平成24年度厚生労働科学特別研究事業（以下，本特別研究）（研究代表者：中京大学法科大学院教授　稲葉一人）として作成された。

　本指針では，「本指針の位置付け」として，『医療安全管理者については，「医療安全管理者の業務指針および養成のための研修プログラム作成指針」（厚生労働省医療安全対策検討会議　医療安全管理者の質の向上に関する検討作業部会　平成19年3月）に示したところであって，本指針と相まって，医療安全管理業務と患者・家族支援業務を，各医療機関の規模や機能に応じて有機的に連動させるものと考える』との記載がある。