連載 “医療安全力”を育むリスクアセスメントトレーニング・Training 22
“SBAR”実施におけるアセスメント力・提案力の育成
斉藤 奈緒美
1
,
石川 雅彦
1
1公益社団法人地域医療振興協会地域医療安全推進センター
pp.152-157
発行日 2016年2月25日
Published Date 2016/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200447
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“SBAR”実施における課題
医療の現場で発生しているインシデント・アクシデント事例には,コミュニケーションエラーに起因するものも少なくなく,職種間のコミュニケーション改善は医療安全推進における課題の1つでもあると思われる。医療機関では良質で安全な医療を提供するという目標を達成するべく,多職種が連携・協働している。職種や職種経験年数の違いは,異なる認識や,エラー発生につながる可能性を秘めている。
日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業の公開データ検索1)を活用すると,2015年11月中旬現在,キーワード「コミュニケーションエラー」では54件,「判断ミス」でも54件の医療事故やヒヤリ・ハット事例の報告があった。適切な判断を実施するには,正確な情報伝達,情報共有,および共通認識が重要であり,患者・家族や職員間のコミュニケーションエラーを防止することが望まれる。
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