実践報告
組織風土改革推進者の育成をめざす研修の企画・運営―院内研修に「患者サービス」研修を取り入れて
三鍋 節子
1
,
川代 たつ子
2,3
,
畑田 みゆき
3,4
1東京都立大久保病院看護科
2東京都病院経営本部経営企画部職員科
3前・東京都立大久保病院看護科
4東京都立府中病院
pp.631-635
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100883
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はじめに
東京都立大久保病院(以下,当院)は,日本でも有数の繁華街に位置し,二次救急医療,腎医療,リハビリテーション医療を重点医療として掲げている。2004(平成16)年度には医療公社への移管が決定しており,地域支援病院としての役割が求められている。
当院の開設者である東京都は,医療サービスの充実を図っていくための倫理規範として,2001(平成13)年に「都立病院の患者権利章典」を制定した1)。医療従事者は,患者および家族の権利を尊重し,患者中心の医療の実現に向け,医療の質やサービス向上に取り組む必要がある。
このような状況において,病院組織の一部門としての看護科の果たす役割は大きく,看護職員1人ひとりが専門職としての自覚と責任と誇りをもち,組織目標達成へ向けて参画していくことが期待される。そこで,院内研修は,これらの状況を敏感に捉え,職員育成を図る企画が必要である。
本稿では,当院看護科が院内研修に取り入れた「患者サービス研修」について,その内容が参加者だけではなく病院全体へ波及した過程と,そのための組織としての支援体制の重要性を紹介する。
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