巻頭記事
―JCI受審備忘録―認証取得は終わりではなく,質改善継続の始まり
髙井 今日子
1,2
1聖路加国際病院看護部
2聖路加国際病院QI(Quality Improvement)センター
pp.239-245
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102731
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聖路加国際病院(以下,当院)では,2012(平成24)年7月14日から3年間,医療機能評価の世界標準であり,「患者安全」「医療の質改善」の実践を目的としたJCI(Joint Commission International)の認証を取得した。当院の運営方針の一つ「国際病院としての役割を果たすため,海外からの患者の受け入れ態勢を整える」ための活動の一環として,病院の国際性を高めることを目的に,福井次矢院長の提案から今回の受審が決定された。特定共同指導や日本医療機能評価機構といった国内の監査や評価の経験はあったが,世界基準での評価,そして聖路加国際病院,訪問看護ステーション,附属クリニック・予防医療センター,産科クリニックという4つの施設に対する複合的評価も当院にとっては初めてのことであった。国内でもすでに2つの病院(亀田総合病院,NTT東日本関東病院)が取得していたとはいえ,英文の膨大なマニュアルを前にしたときには,新たな挑戦への不安を感じた。
しかし,そこから認証されるまでの過程はさまざまな貴重な経験の連続であり,医療の質とその改善に対する組織の新たなる見解を得たことは管理者として,そして一医療者として大きな収穫となった。
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