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講座 医療安全・リスクマネジメント・第1回【新連載】
医療安全のための医療専門教育と医療安全推進者の育成
The cultivation for education and training of medical professionals promoter for medical safety.
小松 泰喜
1
Taiki Komatsu
1
1東京工科大学医療保健学部理学療法学科
1School of Health Science, Department of Physical Therapy, Tokyo University of Technology
キーワード:
医療安全
,
職種横断的アプローチ
Keyword:
医療安全
,
職種横断的アプローチ
pp.1213-1218
発行日 2012年9月10日
Published Date 2012/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102664
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はじめに
医療安全は,新たな時代を迎えている.
「医療安全対策加算」が新設され,これにより専任の医療安全管理者注)の配置で算定が可能となった.例えば,「医療安全対策加算2」では社団法人全日本病院協会が実施する講習に参加し,課された講義2クール(4日間)および演習(2日間)の全日程を修了した者に「認定証」を授与している1).これにより医療安全対策加算を算定できるというものである.その一方で,広義には医師以外のコメディカル(co-medical:医療専門職)と言われる医療従事者も医療過誤の対象となり,多くの判例を抱えるようになってきている.もちろん医療の質を問う判例もあれば,予想だにしないことで矛先が向けられるものまであり,医療機関のみならず当事者においても,社会からの視線によって戸惑いを隠せない現実が迫ってきている.
昨今のリハビリテーション医学は,脳卒中急性期医療の発展と脳の可塑性における積極的リハビリテーション医療の推進から,急性期における医療安全への配慮には課題がみられる.特に血圧の管理については,ある一定のエビデンスを使うことで脳卒中ガイドライン上もコンセンサスを得ている2)が,それにより急性期からの理学療法・作業療法が実践され,その後の回復過程においても重要な役割を示すとともに,多くのリスク管理を余儀なくされるという諸刃の剣となることがある.
本稿では,リハビリテーション医療の現状を見据え,そこに携わる専門職教育と安全・安心のあり方および具体的推進者の育成について述べてみたい.
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