連載 先を読むナースマネジャーのための発想法・6
―新しいことを積極的に行なっていく その1―なぜ看護職に新しいことが必要なのか?
坂本 すが
1
1日本看護協会
pp.495
発行日 2012年6月10日
Published Date 2012/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102459
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ご存じのとおり,ここ数年,社会保障改革の議論が世間をにぎわせています。年金や消費税に関する話題がマスコミによく登場しますが,議論の根本は,少ない若者世代の人口に対して高齢者が急増している少子高齢社会の到来から発しています。年金や消費税は財源問題として注目されますが,看護職にとって少子高齢社会とは,高齢者が増えることで患者が急増する一方,看護職の担い手となる若者の母体数がどんどん減っていく状況であるといえます。その結果,医療・介護現場での看護職の人材不足,業務過多,ひいては労働環境の悪化という問題が出てくるわけです。加えて社会の価値観の多様化,医療や看護への期待の高まりなど,環境が目まぐるしく変化するなかで看護に従事する私たちには,少子高齢社会に対する看護職独自の取り組みが求められているのです。特に看護職のリーダーたる看護管理者には,率先して問題解決にあたろうとする精神をもってもらえればと願っています。
では,看護職独自の取り組みとは,どのようなものがあるでしょうか? その1つとして,これまで病院など所属する組織で実践したことのない「新しいこと」への着手をお勧めします。私の例で言うと,病棟患者への要望アンケートの実施や,病院内の電子カルテ導入など,時代の流れや病院の状況によってさまざまでした。ただし,新しいことの実践で期待できるメリットは共通しています。
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